大鶴院長が第18回再生医療学会総会のシンポジストを務めました

2019.03.25

学術発表

第18回日本再生医療学会で講演する大鶴任彦医師

3月21日より3日間、神戸国際会議場・神戸国際展示場にて「第18回日本再生医療学会総会」が開催されました。今回の学会において、大宮ひざ関節症クリニック院長の大鶴医師が3月23日、シンポジストとして講演を行いましたのでご報告いたします。

シンポジウムテーマ

「自由診療として行われる再生医療のEBMの構築と社会理解の醸成」がテーマに設けられたシンポジウムで、大鶴院長は整形外科分野について講演を行いました。
EBMとは、エビデンス・ベースド・メディスンの頭文字を取った用語で、医師個人の経験や主観だけで医療を提供するのではなく、根拠のあるデータ(エビデンス)に基づいて行おうとする取り組みを意味します。今回、大鶴院長はひざ関節症クリニックグループのこれまでのデータ(培養幹細胞治療が約700例、PRP-FD注射が約1,800例)を元に発表いたしました。
第18回日本再生医療学会シンポジウム風景

講演内容について

大鶴院長は「自由診療として行う膝関節領域再生医療の現状と課題」という演題で講演。ひざ関節症クリニックグループの提供する脂肪由来の培養幹細胞と血小板由来の濃縮成長因子:PRP-FD、それぞれの関節腔内注射の臨床データに基づき、現状と今後の課題について主に下記の内容を報告しました。

 

<培養幹細胞治療>
・治療方法について(詳しくは培養幹細胞治療のページをご覧ください)
・注入後6ヵ月の追跡で、VASやKOOSは有意に改善していた
・VASの改善度は、KL分類のグレードが進行するほど低くなっていた
・重篤な副作用は認められなかった

 

<PRP-FD注射>
・治療方法について(詳しくはPRP治療のページをご覧ください)
・注入後1年の追跡で、VASやKOOSは有意に改善していた
・VASの改善度は、KL分類のグレードが進行するほど低くなっていた
・重篤な副作用は認められなかった

 

今後のための有意義なディスカッションになったかと感じています。聴講された医療関係者の方からは、テーマにとても合致した発表内容でしたというお言葉もいただきました。

EBMの構築のために

自由診療は「この医療機関を選んでいいか分からない」「効果が曖昧」などのイメージがあることが、全国意識調査で報告されていて、一般にまだまだ浸透している治療ではありません。だからこそ、EBMの構築が必須と考えられるのです。
ひざ関節症クリニックではこの環境構築のため、各種学会での発表や論文の執筆を積極的に行っております。また、軟骨治療の国際的な学会であるICRS(国際軟骨修復学会)に多くの症例登録も行っています。こうした取り組みも、保険事情や再生医療の実情が各国で異なる中においても「どのような治療がどのような患者に有益か」を調べる一助になると考えております。